なぜ断熱材が効かないのでしょうか。

図1



図1のように、在来木造の壁の中は、床下と天井裏につながっています。この壁の中の空気が、室内の暖房で暖められると、軽くなって天井裏に抜けます。
その分、室内の壁のすきまから暖かい湿気を含んだ空気や、床下の冷たい空気が壁の中に吸いこまれ、結露が壁内で発生し、土台を腐らせる原因となります。
さらに、断熱材の内側を冷たい空気が流れてしまうため、断熱性能が著しく低下してしまいます。(図2)

図2



このような現象は外壁だけなく、住宅内部のいたるところで発生しています。図3のように、間仕切り壁の内部を冷気が通り抜け、小屋裏に入り込んだ湿気と冷気によって、小屋裏空間で結露を発生させる場合もあります。

図3



よって、図4のような方法で、気流が生じないように、外壁と床下及び間仕切り壁と床下、天井などの取り合い部では「気流止め」を設け、空間的に独立させることが必要になります。


ただ、大工さんがそれまでに体で覚えこんだやり方とは手順が違い、ディテールの納め方も異なるため、できてしまえば見えなくなってしまう部分に手間暇をかけるよりも、見てくれをよくしたいと考えるハウスメーカー・工務店の住宅では、気流止めを設けるという考え方が抜け落ちているのが現状です。

図4




出典:「新在来木造構法マニュアル2002」新木造住宅技術研究協議会